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【感想】『そして、バトンは渡された』 著者:瀬尾まいこ

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「これは脅迫状か?」

 

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瀬尾まいこさんの『そして、バトンは渡された』は、大人の都合で振り回されながらも愛情を注がれ育った女の子の感動的な物語だと世間では思われているはずだ。

 

物語のストーリーをそのまま受け止めればそうなるのだ。

 

いくつもの困難を乗り越え成長する、心温まる優しい物語と。

 

でも、私は読み始めて少しすると、心にグサグサと矢を刺される悲痛な心情となった。

 

なぜなら、主人公の優子が置かれている状況と私の一人娘が置かれている状況が重なって見えてしまったからだ。

 

それもそのはず。

 

私は一人娘が小学校1年生の夏休みに離婚をした。

 

元嫁と娘は遠く離れた元嫁の出身地で暮らしている。

 

”子供がいるのに離婚するのか?”

 

”もう少し考えたほうがいいと思うよ!”

 

”子供が最優先!”

 

離婚した当時はそんな声をよく耳にした。

 

反論するつもりは全くない。

 

その通りだと思うから…

 

離婚を批判する多くの意見をもらったがそのほとんどは気になることはなかった。

 

しかし、唯一反論したことがある。

 

「娘さんのことさほど大切に思ってなかったんですか?」

 

何かの会話の拍子に言われた。

 

たしか30才前後の女性だったと思う。

 

その女性とは同僚としていい関係であり、この時も冗談まじりの会話の流れだった。

 

笑いながら会話をしていた中で急に真面目に答えてしまったのを覚えている。

 

『娘は何より大事!』

 

これだけは譲れなかった。

 

当然そんな大事なら離婚しなきゃいいのに〜という流れになる。

 

当時の判断能力がどれほど正常だったのか今となっては確認できないことではあるが、職場の施錠を連続で忘れたり研修や出張もすっぽかしたりと正常ではなかったのは間違いないこととわかる。

 

その頃は、”私と元嫁のパートナーの間ではまともな子育てができない”と考えていた。

 

この選択が将来娘にどんな悪影響をもたらすのか…気にしない日はなかった。

 

離婚したから娘への愛情がないわけではないのだ!

 

そう思いながらも離婚して娘とは一緒に暮らしていない事実は変わりなく、結局は娘に寂しい思いをさせている父親、それが私なのだ…

 

だからこそ、この物語に恐怖を感じた。

 

どこに恐怖を感じたのか…

 

それは、優子の小中高時代の友人とのやりとりに影が見え隠れする部分だ。

 

文中では、親が何度か変わったから…という理由で周りとの感覚の違いを簡単に説明してはいるが、これは確実に家庭環境が影響を与えている。

 

その全てが父親がいない…という理由ではないにしろ、どうしても自分の娘と重ね合わせてしまう。

 

この本の読者でどれくらいの人が私と同じ感想を持っただろう…

 

この本を読んだことで、今まで以上に娘に関わっていきたいと感じた。

 

思春期になれば「ウザい」「キモい」と言われるのだろうがそれもまた父親の役目と認識して受け入れよう。

 

たまにしか会えないからといって父親に気を遣わせるようではダメだ。

 

現在は、養育費を払う、月に3冊の本を送る、宿題のわからないところを教える、半年に1回か2回会いに行く、このくらいしかできていない。

 

『もっといい関わり方を考えていこうと思う。』

 

この気付きを与えてくれたこの物語には本当に感謝しかない。

 

10年後、共に酒を飲める父娘の関係でありたい。

 

 

 

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