【感想】『火焔の凶器』 著者:知念実希人
こんにちは、ユキツーです。
今日は“偉人の呪いか殺人か”の真相を探る推理小説『天久鷹央の推理カルテ 火焔の凶器』の感想です。
今回はオーディブルで聞きました。
2倍速で聞けば5時間ほどで聞き終わります。
「ながら読書」楽しいですよ〜♪
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人が焼け死んだ。
それは大昔の陰陽師だった先祖の呪いだと言う。
導入としては大変興味を引かれるものだと感じた。
「陰陽師」というワードは独特な空気感にさせるパワーワードだと思うのでもっと深掘りしてくれても良かったかなと感じた。
そう感じたのは、呪いの独特な雰囲気を主人公の取り巻く環境が打ち消しすくらいいい雰囲気のメンバーだったからだと思う。
群を抜く頭脳を持ち多くの事件を解決に導いた女性医師(天久鷹央)とその女性医師の能力を発揮するためには必要不可欠な男性医師、この2人のやり取りがなんとも心地がいい。
そして、その2人の妹的な存在の天真爛漫な研修医と陰陽師の呪い事件がきっかけで行動を共にした陰陽師研究の女性学者が2人の脇に花を添える。
よくマンガやアニメの設定にある、男1人に多数の美人女性というパターンだ。
特に濃いキャラはいない中、鷹央のキャラだけが際立っている。
物語の状況は常に鷹央の様子とリンクしているように感じた。
物語の進行としては、“スムーズに答えに進んでいき、難しい仕掛けもなくリズム良く謎が解けていく。
医療ミステリーなだけに知らない成分や症状を分かりやすく読者に伝えることが必須なためリズムがいいと感じたのだろうか…
多少の緊迫感はあるものの息が詰まるほどの展開ではなかったので推理小説初心者の方や普段あまり読書をしない方にオススメできる作品だと感じた。
個人的な好みの話にはなるが、鷹央がピンチに陥る場面があって欲しかったと感じる。
前述の通り、この物語の上がり下がりは鷹央の状況にリンクしている。
鷹央には欠かすことのできない人物のピンチはあったものの、鷹央自体のピンチがなく緊迫感を感じられる要素が少なかったと感じた。
ここまでの感想だとなんとなく物足りなさを感じたことが伝わったと思うが、この作品は『天久鷹央の推理カルテ』シリーズの1作品にすぎない。
シリーズのスタートから読めば確実に違う感想を持つはずだ。
今回の『火焔の凶器』ではなかった鷹央のピンチがあったり研修医のピンチがあったりいろんな医療ミステリーが楽しめるはずだ。
また、オーディブルでの視聴だったことも物語を軽く感じさせた要因になっている気がする。
“ながら読書”が故に、実際のおもしろさの70パーセント程度しか楽しめていないのかもと感じたりもする。
“ながら読書”をやめようとは思わないが、じっくり読書を楽しむには紙の本を自分のペースで読んだ方がいいと感じた。
以上が『天久鷹央の推理カルテ 火焔の凶器』の感想です。
オーディブルの利用で読書欲が増す一方で、感想も薄いものになってしまっているかもしれない不安があります。
ネタバレなしでの感想を書くのはなかなか難しいものですね〜♪
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