【ヤングケアラー】この時代ゆえの難しさ…そして、子供として過ごす時間の必要性
2022年1月、痛ましい事件を耳にした…
悲しすぎるその事件は遠い世界のまったく関係ない事柄ではない。
もっと言えば子供に関する痛ましい事件やニュースは他にもたくさんある…
今日は『ヤングケアラー』について思ったことを書いてみる。
目次
<ヤングケアラーに関する本>
「子どもは国の宝」
アニメが好きな私は幼少期から社会人となった現在まで多くのアニメ作品を見てきた。
その中で多く登場したこの言葉。
20代前半まではこの言葉の意味が理解できなかった。
特に印象的なのは「NARUTO」でシカマルが将棋を打ちながら「玉を守る」的な言葉を言ったシーン。
前後の流れは忘れどそのシーンは強く印象に残っている。
「豊かな人生を送れる大人になってほしい」
子供たちと接するときには常にこの思いが根底にある。
仕事上”ヤングケアラー”の子供と対面することも珍しくない。
何かしてあげたい…と思うが何もできない。
じゃあせめて励ましてあげようと思っても、逆に子供を苦しめることも多い。
”親に一言言ってやりたい!”
そう意気込んでも結局は踏み込めない領域。
「家庭の中に他人は踏み込めない…」
個人やプライバシーを大切にするこの時代、昔のドラマのように家庭内に土足で踏み込むのは完全にアウトなのだ。
これはヤングケアラーがいる家庭に限った話ではない。
障害が疑われる子どもがいる家庭、経済的に困窮している家庭、家庭崩壊寸前の家庭、、、
子どもがいちばん安らぎいちばん成長するはずの家庭がおかしいのではその子供の人生のどこかでツケが回ってくる。
そのツケの原因が大人であることがあってはならないのだと思う。
多くの困難を乗り越え成長する子供はたくさんいる。
そして、大きな壁を乗り越えるほど大きく成長できる。
これは正しい。
でも、その壁が大人のエゴであってはいけないのだ。
子供は子どもとして過ごす時間が大切なのだ。
子ども時代に子どもとして挑戦することが大切なのだ。
過去に精神科医の講話を聞いたことがあるが同じことを言っていた。
子ども時代に子どもとして過ごせないヤングケアラーの子どもたちは見る角度が違えば「よくお手伝いをするえらい子」となってしまう。
それがお手伝いの範疇に収まればいいのだがそうはいかないのが問題を抱えた家庭となる。
子ども時代から家事や子育てを任され学校に通えないた子どもには将来どんな影響が出るのだろう…
自分の子供にも同じことをさせやしないか…
世間の当たり前を知る機会があるのか…
青春時代の思い出がすっぽり抜けた大人とはどんな人物になるだろう…
いい思い出の青春の思い出じゃなくてもいい。
たとえ学校で嫌なことがあって不登校になったとしても空っぽよりはいいと思う。
「子ども時代の失敗は自分の宝物」
私は少年時代には希薄な友人関係しか築くことができなかった。
喧嘩はしたことがない。
もっと言えば言い合いすらしたことがない。
少年時代の希薄な関係は大人になっても繋がっているほどのものじゃない。
人との関わりが苦手な私は社会人になって嫌がらせを受けた。
いわゆる”無視”というやつだ。
腹が立った。
仕返しをしてやろうと頭をよぎった。
でもしなかった。
仕返しではなく今まで以上に話しかけ、たくさん無視されることにした。
相手は無視されても気にしない表情の私に何を感じたかわからないがすぐに無視はなくなった。
もし、自分の子供や知り合いの子供がそんな嫌がらせを受けていたら心が潰れる思いがすると思う。
それでもやっぱり学校での経験はないよりあったほうがいいはずだ。
社会人になって嫌がらせを受けた後の私はひとまわり成長した気がした。
物事を広く見られるようになった気がした。
気がするだけの勘違いかもしれないが、子どもにとっては貴重な経験になるはずだ。
「お前は何ができる?」
今、ヤングケアラー問題に対して神様からこう問われたらなんと答えるだろう…
この問題の背景には経済格差や閉鎖領域の拡大があるとされている。
家庭の問題に誰がメスを入れるのか?
難しすぎる問題だ。
私にできることは、せめて関わる子どもたちの様子を観察し、問題を抱える子どもの兆候を逃さないこと。
そして、話を聞いてあげること。
そのくらいしかない。
そのくらいしかできなくても見て見ぬ振りはできない。
ヤングケアラーに限らず困り感を抱える子どもたちの手助けができたらいいと思う。
「アニメのヤングケアラー」
私の少ない知識では、障害を扱う作品はあってもヤングケアラーを扱う作品はない。
ネットで調べてみるとヤングケアラーの勉強用のアニメはありそうだった。
でも、ヤングケアラー予備軍のアニメ作品ならいくつかありそうだ。
真っ先に頭に浮かんだのは『ホリミヤ』だ。
学校には行けてるが、家事や弟の世話をしなければいけない。
学校では大人気の美少女だが、家庭事情は周りの友人には打ち明けられず毎日ストレスを溜めていく。
こう書いてみると完全にヤングケアラーだ…
もちろんアニメなので一線引かなければいけないが、参考になることもある。
『ホリミヤ』の主人公の堀さんはひょんなことからクラスメイトの1人(宮村くん)に家庭事情を知られてしまう。
そこからいろいろあり、この宮村くんが家事や弟の世話を手伝ってくれる事になる。
悩みを共有できる存在を得た堀さんは今まで以上にイキイキしていく。
ストーリーとしては完全に学園恋愛ものなのだが、これこそヤングケアラーの理想像なのである!
要するに家庭に新たな風が吹く!と言ったところだろうか。
まぁ結局はそこが難しいのだが…汗
「最後に…」
今日はヤングケアラーの事件を耳にして思ったことをずらずら書いてみた。
これからますます増えるとされるヤングケアラー。
目の前にヤングケアラーの子どもが現れたとき何ができるのか…
必要なときに適切な行動を取るために日頃からこの問題を頭に入れておきたい。
そして、同じようなことを思ってくれる大人が1人でも増えてくれたら嬉しい。
最後までお読みいただきありがとうございました。