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【お金の話】『お金がない少年の生活』②〜親の責任とは何なのか〜

ご訪問ありがとうございます。

今回は『お金がない少年の生活』②〜親の責任とは何なのか〜の小学生編です。

貧しい少年時代の生活を振り返ることで現在低所得家庭の保護者が子供にできることが見えてくる気がして書いています。

わずかでも保護者様の参考になれば幸甚です。

 

幼少期編はこちら↓↓↓

【お金の話】『お金がない少年の生活』①〜親の責任とは何なのか〜

 

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<小学生編>

「世の中、お金がすべてだよ…」

母は穏やかで子供想いでいいお母さんだった。

その母の言葉だけに衝撃を受けた。

子供ながらに反撃をした。

「そんなことないもん!お金なくたって…」

私を遮るように母はいう。

「お母さんも最初はそう思ってこの家に来たの。でもね、違ったんだよ。」

後にこの頃の母の苦しみを知り、胸が張り裂けそうな思いをした。

しかし、当時はまだ10歳そこそこの少年の私。

母の言葉を重く受け止めることはなく、しばらくして頭から消えていった。

時系列が前か後かは定かではないが、この頃友人に自慢をしている。

「優しいお母さん、仕事頑張るお父さん、かわいい妹たち、オレは世界一幸せな家族に生まれてきたよ」と。

今思うとかなり恥ずかしいが、誇らしく言い放ったのを鮮明に覚えている。

普段はそんな自慢をするような性格ではなかった私、

その裏側には我が家のお金事情がうまくいってないことが影響していたと感じている。

月日が経つにつれて周りの友人たちとの経済的な差が大きくなっていくのに気づいてしまったのだ。

人生とは皮肉なもので、そんな時にゲームセンターや本屋と出会ってしまう。

ゲーセンには友人も通うし、怖い先輩もいるがゲームの楽しさには変えられなかった。

本屋にはたくさんの漫画が並んでいた。

お小遣いがない私、ゲーセンと本屋をどう楽しんだのか…万引き、窃盗、お金の抜き取り。

最悪な自分がいた。当時の私はそれが楽しかった。

友人宅で見かけた1万円札、、、持って帰ってしまった…

本屋の野球漫画、、、盗んでしまった…

両親や祖父母の財布、、、お金を抜き取ってしまった…

完全に狂っている。

完全にお金の感覚が欠如した少年が出来上がっていた。

いつからだ…?わからない。

子供は家庭の空気を敏感に感じ取るとよく言われるが、まさにその状態だったと思う。

「お小遣いちょうだい」子供なら誰でも気軽に言えるこの言葉を言うことができなくなっていた。

いや、言ってはいけないと思っていた。

「お小遣いちょうだい」とお願いして母が嫌な思いをするくらいなら別の方法でお金を手に入れるしかないという思考回路になっていた。

幼少期から見たらかなりの落ちぶれ具合だ。

このまま大人になれば間違いなく社会不適合者の誕生なのだが、案外神様はいるのかもしれない。

ある日の夕食後、ジャンバーからわずかに見えていた千円札に母が気付いたのだ。

その時ジャンバーには3千円が入っていた。

バレたのだ。

母も違和感を感じていたようだ。

母が買ってくれなければ増えないはずの漫画が増えている。

母親ネットワークで私がゲーセンで遊んでいることを聞いている。

お金がないはずの私のできる行動ではないのだ。

さすが母親というところ。

根掘り葉掘り聞かれ全ての私のバカな行動が明るみになった。

迷惑をかけた友人宅や万引きをした書店等への謝罪がひと段落した頃、母から声がかかった。

今まで母からはほとんど怒られたことがなかった。

長い長い説教を覚悟して母の元へ行った。

すべて私のせいであることは間違いないこの件で母は私を怒らなかった。

お小遣いすら渡せていない状況に責任を感じていたのだろう。

「ごめんね、一緒に死のう」

なぜそんな展開になったかは覚えていない。

でも、大粒の涙を流しながら言われたことだけは鮮明に記憶にある。

幼いながら母親の覚悟を感じずにはいられなかった。

相当思い詰めた母の姿が目の前にある。

その時間は永遠に続くと思えるほど長く辛いものだった。

一時は母の覚悟を前にオレは死ぬんだと思ったが、誰かの仲裁があり、

これから反省して生活することを約束して話し合いは終わった。

しばらく少年野球には参加できなかった。

でも、改心した。我が家の経済状況は何も変わらないが私の心だけは変わった。

お金に関する感情は強固な檻の中へ閉じ込め、大好きになっていた野球にのめり込んだ。

県の大会に何度も優勝した。

全国大会にも行った。

心が陰と陽はっきり分かれた状態で小学校を卒業する。

大人になって思うことがある。

小学校時代に我が家にお金がなかったことは確実なことなのに、私の親はスポーツは続けさせてくれた。

これは妹たちも同じ。

習い事に通わせてくれたことは心から感謝している。

 

続編③「中学校編」に続く。